Nゲージ用小型動力台車の製作No.3でKATO製小型車両用動力ユニットを二つ分組み合わせた4軸駆動Bo-Bo形を作ったけれども、あれが思いのほかPWMパワーパックと相性が良くて超低速が出せるものだから再び作ってしまいました。
でも全く同じものを作るのは面白みに欠けるので、さらなる小型化を図るとともに思い付いた製作アイデアを試してみることにしたのです。
使ったパーツの構成はほとんど同じ、KATO製の小型車両用動力ユニットの動力台車側を二つ分くっつけて、TOMIX製M-9モーターを搭載した4軸駆動のBo-Bo形です。モーターの軸をぎりぎりまで切り詰めた分だけ台車間隔が短くなってます。お陰で床下にぶら下げる鉛の死重が小さくなってしまったので、新たにモーター下に別な死重を搭載する格好になりました。
減速機構に関しては前回と同じ12枚のEC動輪ギヤ軸と17枚のEL動輪ギヤ軸組み合わせたギヤを用いています。新しいアイデアとして、内径がφ1mmで外径がφ2.5mmのEC動輪ギヤ軸を固定するのに内径φ2.5のボールベアリングを嵌め込んでます。前回はφ1.5mmまで穴を拡大してから同径の真鍮線を差し込み、内径φ1.5mmのボールベアリングで固定していましたから、穴あけ加工で精度が落ちて振動の原因になっておりました。新アイデアでは無加工なままベアリングを噛ませるられるのでギヤの噛み合わせが良くなって精度が上がりました。
それともう一つの新アイデアとして、動力台車から上がってきた集電端子とモーターとを繋ぐ方法において前回では直接ハンダ付けして細線を巡らしていたのですが、台車回転がバネっぽい動きになってしまうのと見た目的にも良くありませんでした。これを改善するため元のベリリウム銅板バネを短く切って取り付けたら外観スッキリしたばかりでなく台車回転もスムーズになりました。これについては伝統的な技術が一番ってことですね。
TOMIX製M-9モーターの軸は結構長くて前回は何も考えずそのまま使っていましたけれど、その分だけ台車間隔が長くなっていました。今回は余っている長さを極力切り詰めることにして前回よりも台車間隔が短くなった動力台車を作ることが出来ました。なお台車回転中心点とボールジョイント位置とを正確に合わせる構造は前回と同じです。
KATO製小型車両用動力ユニットのボールジョイントは軸が外径φ1mmなので、減速機構のEC動輪ギヤ軸の内径φ1mmにスッポリ入ってくれて加工が随分と楽になりました。EC動輪ギヤ軸を支えるためのボールベアリングは前回だとφ1.5mmのものを使っていましたけれど今回はφ2.5mmの品を使っています。こうするとEC動輪ギヤ軸の外径はφ2.5mmなので無加工なままスッポリ嵌ります。そして大き目になったベアリングの外径を支える加工は取り扱いが楽になったことでしっかりと固定することが出来ました。
前回よりも台車間隔は狭くなったので、TOMIX製C103カーブレールでも台車回転に余裕が出来たと思います。台車の間隔は伸びれば伸びるほど回転角度が増すため、動力台車ではジョイントの伝達角度に余裕がないと追従出来なくなります。
前回作った先代機と今回作った最新機とを並べてみました。どれくらい台車間隔が短くなったかというとほんの10mmほどですけど。これはちょうどモーター軸の露出している部分を切り詰めた分量に相当します。
前回の先代機と今回の最新機との構成を示した図です。モーター軸を短くした分だけ台車間隔を狭くできました。また、減速機構のEC動輪ギヤ軸の固定方法が変わっていることに気が付くでしょうか、精度高いギヤ軸を加工することなく固定できるので随分と製作が楽になったし、接着せず押し込んでいるだけなのでバラして部分交換が簡単にできる様になったのは棚ボタでした。
※加工や改造、製作は各人の判断にて行い、それによって生じる責任を負うこともお忘れなく。
【こちらもご参考に】
Nゲージ用小型動力台車の製作No.5(2016/10/18完成)
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