BトレED75用に作っていたD級4軸駆動な動力ユニットが上手くできたので、もう少しアイデアを発展させて、軸配置Bo-Bo-BoなF級6軸駆動の動力ユニットを考案してみました。
こちらが配線まで整えた自走可能な状態の仕上がり。TOMIX製C103スーパーミニカーブレールとクロッシングレールとで組み上げた「だんご3兄弟レイアウト」にてテスト走行を無事クリアしています。6軸全てから集電しているため安定してモーターへのPWM電流を供給可能です。
~完成ちょっと前の説明~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
Nゲージのメーカー製品では既に、F級で軸配置Co-Coな6軸駆動の動力ユニットを積んだEF58やEF62等が発売されていますけど、同じF級6軸駆動でも軸配置がBo-Bo-Boな動力ユニットは見たことなく、大概はBo-B-Boで両端台車のみ動力を入れた4軸駆動であり中間台車には動力が入っていません。カーブ通過時に旋回する両端台車と異なり、中間台車は旋回することなく横動という形でレールに追従する構造なため、Nゲージで模型化した場合では上手く動力を組み込めないのでしょうか。
存在しないなら見てみたい! そう思ってこの前に作った、EC用動力台車を用いたBo-Bo軸配置なD形4軸駆動動力ユニットの動力伝達方式を応用すると、横動する中間台車へも簡単に動力を伝達できることが判り、早速それを検証するため試作車を製作してみました。
パッと見ではボギー台車を三台履いたF形で、両端台車に動力の入った4軸駆動な動力ユニットにみえますが、これは中間台車にも動力が入っているBo-Bo-Bo軸配置の6軸駆動な動力ユニットです。軸距14mm、台車間隔23mmとコンパクトなF形、きっとジョイント音は『ダンダダンダダンダン』でEF65っぽいリズムを刻むはず。EF64-1000番台やEF81みたく連打系『ダダダダダダンッ』も嫌いじゃないんだけどネ。
6軸を駆動するのは毎度お馴染みなTOMIX製M-9モーターです。両軸はそれぞれの両端台車に繋がっているので判りやすいですけど、中間台車にはどうやって動力を伝達しているでしょうか(なぞなぞ?)。
まだ写真上では取り付けていませんけど、KATO製カプラーNを接着固定するための台座は設けてあります。これはDT22動力台車に減速段ギヤ機構を組み込む時ギヤハウジングの一部を削るんですけど、減速ギヤが接触しないギリギリまで削り残すことで実現出来てます。
減速段には毎度お馴染みなEL動輪ギヤ軸とEC動輪ギヤ軸とを組み合わせたものを使っており、既に何度も採用してきた安定な構成です。減速段ギヤはいつものようにボールベアリングBBF625ZZで支持し、減速軸とモーター軸とはKATO製ジョイント(緑)の短縮加工品で繋いでいます。元々は20mmの長さのものを16mm程度に短くしたものですが、これは後から全長を微調整できる様にしてあるのがミソです。
裏側から見てみたところ。真の6軸駆動を実現するためには、中間台車が横動しても動力は伝わらなければなりません。それではどうやってそれを実現しているかというと、両端台車からドライブシャフト経由で繋いでいるというのが正解です。
TOMIX製C103スーパーミニカーブレールに乗せてみたところ。両端台車は回転中心ピンにより楽に旋回追従しますけれど、中間台車は写真で判るとおり横動して台車枠から派手に飛び出す形になってますが、構造的にはこれでも支障なく動力は伝わってます。
台車枠を取り外して台車だけにしてみたところ。これを見れば一目瞭然ですね、両側の両端台車からドライブシャフトが中間台車に繋がっている様子。ドライブシャフトのボールジョイント部分に遊びがあって1~2mmの伸縮が可能なため、TOMIX製C103スーパーミニカーブレールの様な曲線上でも中間台車を支障なく駆動可能なのでした。
これはやりすぎかも知れませんけど、中間台車への動力伝達はわざわざ両側からドライブシャフトを突っ込まなくても片側だけで十分だと思います。何となくですが、両側からドライブシャフトで繋がっていると、本来は横動しか必要のない中間台車が勝手に暴れて旋回するのを抑える効果がある様です。
台車枠の製作は、これも毎度お馴染みフリスクブラックの空きケースからの削り出しです。以前までに作った台車枠と異なる点は、両端台車の回転用支持穴が4mmなこと、中間台車横動支持用溝を設けるためにモーター落とし込み用の角穴が無いことでしょうか。中間台車が上手く横動出来るような機構を優先したために、モーターの取付け重心が数mmほど上がってしまい、両端台車の減速ギヤ軸と繋ぐジョイントのオフセット角度がギリギリになってしまったのは冷や汗ものでした。
この図も毎度お馴染みになりましたが、今回の6軸駆動F形[Bo-Bo-Bo]を実現する動力伝達系の図解です。4軸駆動D形[Bo-Bo]だと台車間にモーターを落とし込めるから重心が下がって走行安定性に寄与してくれて助かるんですけれど、F形だとどうしても中間台車の分だけモーター位置が上がってしまうので重心が高くなり少しばかり不安定な感じがします。
ですけど、6軸全てが動輪であることの効果は絶大で、特にポイント走行時などレール側に走行抵抗があってもスムーズに通過するのは見ていてホント気持ちいいですネ。
【こちらもご参考に】
Nゲージ用小型動力台車の製作No.8(2017/1/4発表)
Nゲージ用小型動力台車の製作No.7(2017/1/3抽出記載)
Bトレインショーティー改造報告No.4【2016/12/1製作中:ED75の電飾と動力化】
Bトレインショーティー改造報告No.3【2016/11/9完成:DD51からDB形入換機を作る】
Bトレインショーティー改造報告No.2【2016/11/8完成:DD51からDD16っぽいものを作る】
Nゲージ用小型動力台車の製作No.6(2016/10/20完成)
Nゲージ用小型動力台車の製作No.3(2016/10/20改良) Nゲージ用小型動力台車の製作No.5(2016/10/18完成)
フリスク鉄道模型用PWMパワーパックの製作No.2(2016/10/11完成)
第74呟【コアレスモーターM716PA-10は動力台車に使えるか】
Bトレインショーティー改造報告No.1【DE10からDD13を作る試み】