連続稼働30時間のフリスクDSPラジオや100時間の据え置き形DSPラジオの製作が結構使える実用品と判ったので、この中間に位置するポータブル形を作ってみたくなってアイデアを練っておりました。頭の中の完成イメージが固まってきたので計画を本格的に立ち上げます。
この回路図は、aitendoで発売されているAKIT-M6952S(V2)の回路をベースに若干のアレンジを加えたもの。一度仮配線で組んでみて正常動作するのを確かめてあります。以下にポイントを列記しておきますのでご参考のこと。
基本的にAM(0.522~1.62MHz、9kHzステップ)とFM(76~108MHz)の2バンドのみの受信に絞って設定を簡略化、TV音声やLW受信機能は割愛しました。音声出力はLR同相設定としFMステレオ放送受信時に立体音が楽しめる2スピーカー対応です。
イ)16番ピン(Band-FM)の処理
このピンは、電圧レベル18を示す10又は20番ピンのV-Batに繋ぐとFM帯76~108MHz
受信にセットされます。
ロ)15番ピン(Band-AM)の処理
このピンは、電圧レベル17を示す14番ピンのVref-Pに繋ぐとAM帯0.522~1.62MHz
受信で9kHzステップ(日本仕様)にセットされます。
ハ)6番ピン(AM-LED)の処理
このピンは、LEDとタクトスイッチとを並列に入れてGNDへ落とします。
AM受信時にはこのLEDが点灯し、タクトスイッチを押すとFM受信へ切り替わります。
なお、内蔵アンプの増幅率を設定する15kΩの抵抗は入れません。
ニ)5番ピン(FM-LED)の処理
このピンは、LEDとタクトスイッチとを並列に入れてGNDへ落とします。
FM受信時にはこのLEDが点灯し、タクトスイッチを押すとAM受信へ切り替わります。
なお、内蔵アンプの増幅率を設定する15kΩの抵抗はこちらも必要ありません。
ホ)4番ピン(Out-Phase)の処理
このピンは、GND接地の場合にLR音声が同相で出力されます。
ヘ)11、13番ピン(L-out,R-out)の処理
47μFのカップリングコンデンサーを噛ませてからスピーカーやイヤフォンに繋ぎます。
うるさいくらい鳴ってくれるから外付けAFアンプは要りません。
さて、今回のDSPラジオを組み込むケースはタカチ製のCS115N-Bで、寸法は縦115mm×横63mm×厚み12mmの極薄なスマホ形。中に入れることのできる厚みは板厚を差し引いて8.3mmとこれまた極薄。従って電池にシリンダー形の単3形や単4形は使えず、5~6mm厚の角型リチウムイオン電池を搭載する予定。稼働時間を極力優先して大容量なタイプを積む関係で、ケースの半分以上を電池が占めることになります。