以前、第73呟【モバイルバッテリーキット K-RBK1C1U-NS のこと】でお目見えした筒形アルミケースがLEDライトへ転生しました。
チノ「デジカメのバッテリーが切れてしまったのです、このモバイルバッテリーを使って充電しておきましょう。」
デコボコやツマミなど飛び出し部分のないシンプルでスッキリとした外観なスリムLEDライトの完成。落ち着いた深みのある黒アルマイトに銀帯を纏っていて何とも渋い仕上がりだこと。
チノ「これ、よく見たらモバイルバッテリーじゃありませんよ、何かレンズが付いてるみたい・・・・・
ええっと、ライトっぽいですね。またココアさんの仕業ですか??」
ココア「ええ!何にもしてないよ~、チノちゃん!!ひどいなぁ、それ濡れ衣だよ~」
リゼ「なんだと!それLEDライトなのか!!ぶわっ眩し!!!ほんとだ、銃にも取り付けれそうな大きさだな、
よし夜戦だ!夜戦の準備をしろココア!!」
元々のモバイルバッテリーと外観は瓜二つ、でも大口を開けているUSB端子の代わりにコリメーターレンズが嵌っているので何とかLEDライトと判るかな。
チノ「こ、こんなところにしっぽがありますよ!! ま、まるくてかわいいです。」
LEDライトの方にはお尻に小さなシッポが生えてます! 飛び出しが低く埋もれていて指の腹で押しても簡単にはスイッチが入らず、爪先を酷使しなければON/OFF出来ません。鞄に入れていて勝手にスイッチが入るのを避けれるかも。
白色パワーLEDにはCREEチップXM-L2U21Aを用い、その専用コリメーターと組み合わせて仕込んでいます。半値角は15度で割と狭角なスポット光を提供の予定ですが・・・。
LED駆動回路はHIGH/LOWの2段階切り替え式にしたので、これはLOWモードの照射パターン。1m先の照射径が40cmならそれ程のスポットという訳でもなくて使い易いかな。
こちらはHIGHモード照射パターン。LOWモード時よりもスポットが強くなって可成り明るいし。しかも1m先のスポット光中心部で2400LUXも出てるっぽい!
照射径、照度値、光束値とLED駆動電流との関係をまとめておいたので参考に。
~ここから先は中身のお話~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
上記カットは実際に組み込んだ状態の断面模式図。この筒、元々はUSBモバイルバッテリ―なので当然ながら18650形リチウムイオン電池が丸々一本ピッタリ入る大きさ。USB端子と5V出力用昇圧基板の入っていたスペースを利用し、コリメーター、LED、駆動回路、スイッチを組み込むことになる。でもほんとギリギリっぽい。
セルは昨年末に大量入手したPanasonic製CGR18650EAで3.7V2600mAhなシロモノ。これの詳細については第75呟【リチウムイオン電池パックを分解する⑥】に載せておいたので必要なら参照のこと。なお高容量3400mAhタイプのNCR18650Bも在庫してるけれど、手持ちが少ないので今回は使用を見送った。
筒の外径はφ21.8mm、内径はφ19.6mmで、組み込みに予定していたXM-L2専用コリメーターの白いハウジングを外せば無加工で入ることを確認できたのは嬉しい誤算だった。これで何かと厄介なレンズ加工作業が省略できて大助かりだもの。
コリメーターとLEDアルミ放熱板とのクリアランスを維持するために使ったパーツの出所がこれ。愛用している瞬間硬化スプレーの”とある部品”を外径計測してみたら求めている数値にピッタリ。これで一気に製作が早まったのは言うまであるまい。
LEDはコリメーターに合わせてCREEチップXM-L2U21A放熱板付きを採用するので、サイズがφ20mm以上ある放熱板の縁を数ミリ削るだけで筒の内径へ押し込むことが可能だったのも幸い。あとはコリメーターとの間隙をどう維持するかが問題だったけれども、このパーツを加工して使ったらアッサリ解決してしまいました!
駆動回路はAMC7135を3個使って350mAと700mAhの定電流ドライブ切り替え式とし、セルからLEDまでのパワーラインを直結にしてVDD端子をON/OFFする方式が無難かな。これなら接点容量の小さなスイッチでも焼けることなく長持ちするし。
AMC7135のドライブ数を切り替えるためのスイッチ。こんな小さいのに何と8ポジション1回路6接点なプッシュ式ロータリースイッチなんです! 折角6接点もあるけれど切り替えに使うのはLOW、HIGHの2接点あればいい。でもなぜ6接点で8ポジションもあるかというと、その内の2ポジションは何処ともつながらないオープン状態、つまり以下みたいな動作をする。
オープン状態→ワンプッシュ→①ON(LOWに利用)
→ワンプッシュ→②ON(OFFに利用)
→ワンプッシュ→③ON(HIGHに利用)
→ワンプッシュ→オープン状態(OFFに利用)
→ワンプッシュ→④ON(LOWに利用)
→ワンプッシュ→⑤ON(OFFに利用)
→ワンプッシュ→⑥ON(HIGHに利用)
→ワンプッシュ→オープン状態(OFFに利用)
→ワンプッシュ→①ON~以下繰り返し
このAMC7135の使い方、9LEDフラットライトとポータブル5LEDライトで接点容量の小さな超小型スライドスイッチを使っていて既に実証済み、勿論ちゃんと支障なく今でも使えてる。
そしてこのパーツ、案外重要。筒内にパワーライン用の太いケーブルを通す余裕はないから、薄くても電流密度の取れるニッケル帯材をセルに沿わせる形で導入。銅箔テープがあればそれを使ったんだけど持ってなかったので。
チノ「ティッピー・・・どこに行ったかと思ったら、こんなところに。それとこれはお仲間さんですか??」
※手前のシロモノの正体は→ウニ殻へのめっき処理試作
※ラビットハウス・ティッピーからのお知らせ
※分解と改造は各人の意思でな。それによって生じる責任を負うことも忘れちゃいかんぞ。